奥飛騨 天蓋山(1527.3m) 2011年6月19日

所要時間 4:08 駐車場−−4:14 車道終点(登山口)−−5:35 天蓋山 5:42−−6:35 車道終点−−6:38 駐車場

概要
 山之村キャンプ場より登る。地形図では山吹峠から破線が伸びているが実際は廃道で使用不能。キャンプ場への車道を一番奥まで登ったキャンプ場炊事場が登山口だが、登山者はキャンプ場敷地入口の登山者専用駐車場へ車を置いて歩く。登山道は非常によく整備されて体に触れる藪は皆無だが、オーバーユースで表土が流れ滑りやすい赤土が剥き出しになっていたりして滑りやすい個所も。最初は沢沿いを登ったり、その後も小さな沢をいくつか横断するので水は豊富。山頂まで樹林が続くが山頂は伐採したのか自然な植生なのか不明だが立ち木は無く大展望。

 旧神岡町にはいくつもの山があるが際立って高い山はたぶん無いと思った。もしかしたら北ノ俣岳あたりは含まれているかもしれないが既に登った山である。しかし、1000m台後半の山はいくつかあり、その中でも登山道が整備された山として天蓋山があった。地形図を見ると東側の山吹峠から道があるのだが、ネットで検索してみると「山ノ村キャンプ場」という場所が登山口となっているようであった。具体的にどこにあるのかよく分からなかったが、峠を越えて飛越トンネル側に下ったところにあるようだ。道はかなり立派らしく、少しくらい雨が降ったとしても傘をさして登れそうな雰囲気だった。ブナオ峠から東京に戻る際の通過点となる位置で週末2日目の山として適当だろう。標高差は約600m、登りで1時間半程度であろう。

登山者用駐車場 キャンプ場内の登山口へ続く道
説明書き まだ暗い中を出発(酷い手ぶれ)

 ほとんど先週と同じように富山平野の南端を東に進んで細入で国道41号線に入り、神岡で471号線に入って平湯温泉方面に向かい、見覚えのある「北ノ俣岳登山口」の案内で左に入ってあとは道なりだ。山吹峠を越えて下っていくと右手に食堂「夕顔の駅」が登場、道を挟んだその反対側に天蓋山登山者用駐車場があった。ここから山の中に車道が延びているがこれは山ノ村キャンプ場利用者の道であり、登山者はここから歩くのであった。まあ、実際に歩いても車道終点まで10分程度だったので大したロスではない。この駐車場で仮眠を取るのも気が引けたので、峠方面に戻って牧場付近の広い駐車余地で寝た。

キャンプ場の中を進む(帰路に撮影) 車道終点近くの炊事場が登山口

 翌朝、まだ真っ暗な中を行動開始。飯を食い終わって4時に出発。まだ周囲は暗いのでライトを点けてだ。早朝なので気温は低めで、これなら大汗をかかずに山頂に立てそうだ。開きっぱなしのゲートを通過して道なりに上がっていくと数台の車が止まっていたりテントが張ってあったりしたので、夏には早いこの時期でもキャンプ場やバンガロー利用者がいるようだ。車道が大きく左に曲がって高度を上げ、右に曲がって大きな広場で終点となる手前で小さな橋を渡って炊事場に出ると、「天蓋山登山道→」の看板があってここが登山口だった。ここから登山道が始まるが広くて藪皆無の道であり、このまま山頂まで問題なく行けそうだ。徐々に周囲は明るくなってきたが、まだデジカメのシャッタースピードは1/10秒以下で、木の幹等にカメラを押し付けて撮影しないとブレブレの写真になってしまうため往路での写真は少なめだった。

沢沿いを上がる 小さな沢を横断

 なだらかな樹林中の登山道を登っていくと沢沿いを行くようになる。行程が短いので水は持ってきていないが、夏場でもけっこう上まで水を持っていかなくても補給できそうだ。ここも昨日のように田んぼのように湿った部分があり、端を回って通過する。新しそうな足跡も見られ、たぶん昨日登った人がいるのだろう。ゆるい地形でしかも尾根上のルートではないので、地図を見てもどこを歩いているのか皆目見当が付かないのがよろしくないが、高度計によって残りの標高差が把握できるので所要時間の計算はできる。

沢を離れる この標識があちこちにある
良好な道が続く ずっと樹林

 小さな尾根を越えて再び沢沿いを歩き、やっと沢を離れてジグザグに登るようになった。周囲はずっと深い樹林で展望は全く無い。やっと明るくなってきてライトなしでも問題なく歩けるようになったのだが、相変わらずデジカメのシャッター速度は遅い。画質は荒れるが感度を目いっぱい上げて写真を撮りつつ進んだ。とはいってもどこも同じような光景が続いて写真的にはつまらないのだが。

1380m峰から山吹峠方向。完全に籔で道無し 1380m峰から山頂方向
1380m峰から見た北ア

 傾斜が緩んで頭上が開け、どうやら山吹峠からの尾根と合流したらしい(1380m峰付近)。ちょっとした広場があって僅かに北側の展望が開け、どうやら残雪の大日岳付近が見えているようだが、肝心の立山が雲の中で同定できなかった。これから雲が取れてくれるといいのだが。東の山吹峠方面は広場の先は道は皆無で一面の藪で、地形図の破線は完全に廃道化しているようだった。開けたのはここだけで、下ると再び深い樹林に潜り、良好な登山道を行くことになる。

再び樹林に入る 1490m峰。右が展望地
1490m峰から見た南側の眺め

 山頂まではそこそこ急な登りとなって効率よく高度を稼ぐ。登山者が多いようで赤土むき出しの場所もあり、登りはいいが下りで滑らないよう注意が必要だろう。まあ、昨夜雨が降って湿っていることも滑りやすい要因だろうが。やや気温は上がってきたが曇りがちで日差しは無く、持ってきたうちわでパタパタ扇げば割と涼しく登ることができた。自然の風が吹いていればうちわなど不要だが、気温がそこそこ低い場所で無風の時はうちわの効果は絶大であった。おかげで今回はほとんど汗をかかずにすんだ。昨日は汗で濡れたのではなく雨で濡れたなぁ。1490m峰で南側が開け、雲に隠れた乗鞍や木曾御嶽が見渡せた。

天蓋山山頂直下 天蓋山山頂
天蓋山から見たパノラマ展望(クリックで拡大)
天蓋山から見た白山〜白山南部(クリックで拡大)
天蓋山から見た白山北部(クリックで拡大)
天蓋山から見た立山付近(クリックで拡大)
天蓋山から見た北ア〜乗鞍岳間(クリックで拡大)

 傾斜が緩んで一気に暗い樹林から明るい広場に飛び出すと天蓋山山頂だった。今までの樹林が嘘のように切れてほぼ360度の大展望が楽しめる場所だった。ただ、昨日より雲は少ないがそれでもアルプスの高峰は雲の中に隠れてしまい、中腹までしか見えなかった。位置関係で立山、薬師岳、北ノ俣岳、黒部五郎岳、笠ヶ岳、乗鞍岳などは分かるが、やっぱ稜線が見えないとイマイチであった。反対側に目を向けると白山がほとんど霞んで空と同化してしまっていたが、昨日登った大笠山等はどうにか見ることができた。まあ、この辺の地理は不案内なので帰ってからカシミールで確認してわかったことだが。空気の透明度がいいときに来れば本当の大展望を堪能できるだろう。

 ぐるりと写真を撮影し終わって下山開始。何度か滑ってコケそうになったが、危うくバランスを保ったり手をついたりで何とか服を汚さずすんだ。泥濘で登山靴が汚れたので途中の沢でジャブジャブ。既に昨日の雨で結構濡れてしまっていたのだが。ゴアの靴だがもう防水性はダメだな。キャンプ場に到着し駐車場に戻ってもまだ朝7時前、他に車はいなかった。

 

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